【FX】ドル円104.46、最後の砦は死守できるのか!?サポートブレイクで3年4ヶ月ぶりの100円割れが見えてくる! | 【週次報告2020年3月8日】

※通貨の動きを表現する際、「下落」は「円高」を指します。
※当ウェブサイトは相場予想やその他情報を掲載しておりますが、その正確性については一切保証せず、またこちらの情報を用いたことによる、いかなる損害に対しても補償の責を負いません。必ずご自身の判断でお取引いただくようお願い申し上げます。

  

 

月曜日:3月2日

通貨 内容

CNY

ドル円は大きく下に窓を開けて107.40ほどからスタート。2月29日に発表された中国のPMIが予想45.0に対して35.7、非製造業PMIも予想50.5に対して29.6と、予想を大幅に下回る結果だったためである

→個人的には予想が高過ぎなのではと思いました。新型コロナウイルスの影響が反映されているため悪い数字が出ると市場は分かっていました。それでも敢えて高い予想にしたのは、予想と結果の乖離具合を”売買の判断基準”にさせないためだったと考えられます。もし本気で当てに行ってそれよりも悪い値が出た場合、市場には結果以上に悪いイメージを与えかねません。だからこそ、今回はあり得ない予想をしたのではないかと思っています。ここで何が言いたいかというと、”予想”と”結果”の乖離具合がチャートに全て反映されるとは限らないということです

中国、2月製造業PMIは過去最低-新型ウイルスの影響深刻 - Bloomberg

JPY

黒田総裁

「日本銀行としては、今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資金買入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である」

「最近の内外金融資本市場では、新型コロナウイルス感染症の拡大により経済の先行きに対する不透明感が強まるもとで、不安定な動きが続いている」(09:54)

→日銀の流動性供給の観測記事を受けて上昇していただけに、失望売りで一時軟調に。その後日銀が約4年ぶりとなる「国債現先物買いオペ」を時間外通達したことで反転。現在105円の攻防になっていますが、104円台に突入した際日銀が買い支えをしなければドル円は100円割れもあり得るのではないでしょうか。

-

先進7ヶ国(G7)財務相は3日に新型コロナウイルス対策で電話会議を行う予定。(00:57)

中銀総裁も参加する。(01:13)

→ドル円はこの報道を受けて一時108.13ほどまで回復。G10中央銀行による協調利下げや金融緩和の思惑により底堅く推移。

火曜日:3月3日

通貨 内容

AUD

RBAは政策金利を0.50%に引き下げた。(予想0.75%据え置き)

 

RBA声明

「世界的なコロナウイルスの発生に対応し、経済を支援するために利下げを決定」

「今後もコロナウイルスの経済への影響を確認し、進行についても注意深く監視を続ける」

「豪経済を支援するため、金融政策を更に緩和する用意がある」

「コロナウイルスの世界的な発生は完全雇用とインフレ目標への進展を遅らせると予想」

「理事会は雇用と経済活動に追加支援を提供するため、金融政策を更に緩和することが適切であると判断」

「コロナウイルスは、世界経済の短期的な見通しを曇らせている」

「コロナウイルスの影響がどれほど持続し、どの時点で世界経済が改善方向に戻るかと述べるのは時期尚早」

「豪ドルは最近更に低下し、長年にわたって最も低い水準にある」

→RBAの利下げは織り込み済みであったため相場の反応は限られました。

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G7関係筋

「G7財務相、会合後に声明発表へ 緊密な連携を確認」

G7声明、現時点で協調利下げや財政出動は盛り込まない方向で調整

「G7声明、今後の調整で文言は変化する可能性」(13:23)

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G7声明

「財政出動を含めた行動をとる用意がある」

「経済や市場の安定に向けてG7は協力し続ける」

「中央銀行は引き続き責務を全うする」(21:45)

USD

FRBが政策金利を1.00-1.25%の範囲に引き下げた(0.50%の緊急利下げ)。(00:02)

 

FOMC声明

「動向を注視し、適切に行動する」

「米経済のファンダメンタルズは依然強い」

「利下げ決定は全員一致」

 

パウエルFRB議長

「1月の会合以降、新型コロナウイルス感染は新たなリスクになった」

FOMCは見通しへのリスクが大きく変わったと判断

「雇用増加ペースはしっかり。賃金は上昇」

「注意深く監視を続け、経済を支援するために適切に行動する」

「どれだけ時間が掛かるかは誰にも分からないと思う」

「G7諸国はそれぞれ行動へ」

「FRBは他の中銀と積極的に協議」

公式な協調行動、追加で実施する可能性もある

「現在の米通貨政策は適切」

→一時買い戻されたもののダウが失速。その後米10年債利回りが初の1%割れとなりました。

水曜日:3月4日

通貨 内容

JPY

年金による買いの噂で一時106.85まで落ちた107.30まで強含み。

EUR

EU

「新型コロナウイルスの影響でイタリアとフランスにリセッションのリスク」(23:01)

USD

「ブルームバーグ氏は米大統領選から撤退し、バイデン氏を支持」との報道を受け、米大統領選の民主党候補指名争いで中道派のバイデン氏が更に優勢になるとの見方から、米国株が上昇。ドル円は一時107.42まで強含み。(00:24) 

USD

米地区連銀経済報告(ベージュブック)

「米経済活動は緩慢なペースで拡大」

「新型コロナウイルスは旅行と観光に悪影響」

「新型コロナウイルスはいくつかのサプライチェーンに影響」

「大半の地区で販売価格がわずかに上昇」

「米個人消費は一般的に持ち直しましたが全体的に不均一」 

木曜日:3月5日

通貨 内容

USD

カリフォルニア州知事が新型コロナウイルスで非常事態宣言を発表。(09:15)

EUR

ギリシャ保険相

来週はコロナウイルスの著しい発症増加を予測

「新たに21人の感染を確認」(21:29)

→意外と重要な局面かもしれません。ユーロ圏ではすでにイタリアが厳しい状況にある中、更にギリシャでも感染者数が著しく増加すれば円買いを勢い付ける可能性は高いです。

金曜日:3月6日

通貨 内容

USD

ミネアポリス連銀総裁

「新型コロナウイルスは企業活動や消費者に対して不確実性を高めている」

「新型コロナウイルスの影響がいつまで続くかは不明」(10:24)

 

NY連銀総裁

「3日の利下げで景気拡大を後押しする」

「金融当局は政策手段を用いて適切に行動する」

「見通しは変化しており、不確実性が非常に高い」

「新型コロナウイルスを注意深く監視し、適切に行動する」(10:49)

USD

非農業部門雇用者数:27.3万人(予想17.5万人)

失業率:3.5%(予想3.6%)

(前月比)平均時給:+0.3%(予想+0.3%)

(前年比)平均時給:+3.0%%(予想+3.0%)

貿易収支:-453億ドル(予想-461億ドル)

→指標結果は良好だったものの、買い戻しの動きが限定的となりました。その後ヒゲを付けることはありましたが、クローズまでの間、概ね105.00~105.40で推移。来週はこの水準をどのようにブレイクしていくかがカギになっていくと考えています。

-

米格付け会社ムーディーズ

「新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が年内にリセッションに陥るリスクが増大した」(01:02)

 

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仲値・最高値・最安値

  3/2 3/3 3/4 3/5 3/6
最高値 108.579 108.537 107.688 107.742 106.344
仲値 107.66 108.24 107.36 107.53 106.25
最安値 107.378 106.936 106.85 105.972 104.995

 

ドル円 仲値 2020年3月2日 3月6日

 

<仲値を中心とした乖離率>

  3/2 3/3 3/4 3/5 3/6
最高値- 76.5% 18.6% 39.1% 12.0% 7.0%
-最安値 23.5% 81.4% 60.9% 88.0% 93.0%

 

<最高値・最安値の時刻>

  3/2 3/3 3/4 3/5 3/6
最高値 16時~17時 8時~9時 16時~17時 8時~9時 9時~10時
最安値 8時~9時 4時~5時 8時~9時 6時~7時 19時~20時

今週の動き

先週に引き続き、今週も4円の下落幅を記録しました。木金で怒涛の下げを見せましたが、全通貨ドル売りが非常に目立っています。火曜日に米10年債利回りが初の1%割れを記録し、その後も下げ止まらず一時0.6%台まで下落しましたことが大きく影響していると言えます。

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3/9~3/13の予想

予想値幅:100.00円~108.00円

 

来週の為替も株価や米10年債利回りに振られる展開となるでしょう。またドル円は月足ベースでのサポートとして104.88、104.64、104.46がありますが、そこをした抜けた場合、100.00付近までは強力なサポートが存在しません。そのため、買いポジは104円台のサポートをした抜けた場合損切をし、売りポジは利益を伸ばすのが良いと考えられます。

また週明けの相場には注意が必要です。土日に出た悪材料として、「中国輸出統計値が非常に悪かったこと」「レバノンがデフォルトに陥ったこと」「OPEC減産が決裂したこと」「NYが非常事態宣言を発令したこと」などが挙げられます。このため、リスク回避の円買いが進み、上記で説明したサポートラインを一気に割ってくるようなことがあれば悪夢の一週間となることでしょう。ただ、先週同様、多少の下窓スタートだった場合、すぐ飛びつかず東京時間が始まるまでは様子見するのが良いでしょう。

 

取引:戻り売り目線