【FX】”有事の円買い”は終わった!?日本政府のお粗末な対応やGDPの悪化が円売りを誘っている? | 【週次報告2020年2月23日】

※通貨の動きを表現する際、「下落」は「円高」を指します。
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月曜日:2月17日

通貨 内容

USD

米国休場。(プレジデントデー)

CNY

新型コロナウイルスによう経済減速の対応として、追加の刺激策を実施する方針を示した」と一部通信社が報じた。(06:19)

→中国が1年物中期貸出ファシリティー(MLF)を3.25%から3.15%に引き下げた。

JPY

10-12月期GDP(前期比年率):-6.3%(予想-3.7%)

10-12月期GDP(前期比):-1.6%(予想-0.9%)

→発表直後は反応薄。また1-3月期はコロナウイルスの影響を受けるため値改善が期待できないことからリセッションの可能性が出てきました。もしリセッションに陥った場合、ドル円やクロス円で円売りにつながる可能性があるので注意が必要です。

USD

「1-3月期に売上高ガイダンスを達成するとは予想していない」と米アップルが見解を示した。(06:19)

→株安を懸念し、ドル円は伸び悩んだ。

火曜日:2月18日

通貨 内容

AUD

RBA議事要旨

2月会合で追加利下げについて協議した

経済成長や雇用、CPIを支えるために更なる緩和の用意がある

「金利が長期に渡って低水準に留まる必要があるという見方は妥当」

「新型コロナウイルスは世界経済にとって新たな不確実性リスク」

「一段の利下げが雇用やインフレ目標を早める可能性」

→2月4日の政策金利発表時の声明やロウRBA総裁の発言では若干タカ派と受け取られていました。しかし、今回の議事要旨ではハト派寄りになっていたことから豪ドルは73円前半まで弱含み。

JPY

クルーズ船で新たに88人の感染確認との報道を受けて109.68円まで弱含み。(18:15)

USD

カプラン米ダラス連銀総裁

米金利は大体正しい水準にあり、年内に変更する要因は見られない

「FRBのバランスシート拡大は緩やかであるべき」

「米GDPは2%から2.25%、個人消費が重要となる」(01:06)

EUR

EU

20年以降の移行期間の延長は受け入れ可能

「英国との通商交渉は時の試練に耐えなければならない」

「EU27ヶ国は単一市場の維持を求めるが、アイルランドの特別な地理的状況は認識している

→EUはブレグジットに関して柔軟に対応する姿勢を示しているため、総崩れの展開は考えにくい。ただし、英国が歩み寄る姿勢を見せなければポンドやユーロに影響を与えるため要人の発言には注意しておきたいところです。(01:18)

水曜日:2月19日

通貨 内容

-

国際通貨基金(IM)

「新型コロナウイルスは世界経済の回復を弱まらせる」

「米中の第1段階合意は短期的な不透明感を減少させたが、貿易への障壁は投資行動を鈍らせる」

「新型ウイルスの感染拡大は中国の成長を低下させ、他国にも影響を与える」(23:01)

USD

ミネアポリス連銀総裁

「米経済がアジア経済減速の影響を免れる可能性は低い」

「新型コロナウイルスの状況が悪化すれば、米国も影響を受ける見込み」

「新型コロナウイルスが見通しに不確実性を与えている」(02:28)

USD

FOMC議事要旨

「現在の金融政策は当面適切」

「新型コロナウイルスは見通しに関する不確実性の1つ」

「現在の金利水準は物価上昇率の2%回帰に有益」

「Tビル保有の段階的な縮小は1-6月期に環境が整う見込み」

木曜日:2月20日

通貨 内容

AUD

1月失業率:5.3%(予想5.2%)

1月新規雇用者数:+1.35万人(予想+1.00万人)

→失業率が悪く豪ドルは売られたものの、新規雇用者数が良好だったため売り一巡後は買い戻された。ただし、反応がマチマチなので今後この結果が相場を先導していく可能性は低いと考えられます。

CNY

中国人民銀行は最優遇貸出金利(LPR)の1年物を4.15%から4.05%、5年物を4.80%から4.75%へ引き下げた。(10:30)

中国人民銀、最優遇貸出金利引き下げ 景気支援へ - ロイターニュース - 経済:朝日新聞デジタル

USD

米財務省高官

「新型肺炎の影響で中国が第1段階合意の追加購入額を変更するとは予想していない」(04:13)

金曜日:2月21日

通貨 内容

JPY

西村再生相

「為替は基本はドル買いだと思う」

「新型コロナウイルスへの懸念はあるが日本経済は回復基調」

「円安は米経済の堅調を反映」(09:32)

→「円安は米経済の堅調を反映」などと言っていますが、明らかに日本の信用が落ちて円売りが繋がっていると思う。そもそも米経済が堅調なのは今に始まったことではないので、ドル円が上昇しているのは日本政府のお粗末な対応によるものであると言えます。今後日本で新型コロナウイルスが蔓延していけば更に円売りが加速することになるでしょう。

JPY

「埼玉でチャーター機で帰国後に感染が確認された男性の未就学男児が新型コロナウイルスに感染」との報道を受けて一時111.49円まで下落したが、その後は買い戻された。(17:16)

USD

2月製造業PMI:50.8(予想51.5)

2月サービス部門PMI:49.4(予想53.0)

2月総合PMI:49.6(予想-)

→景気の良悪を判断する50.0を割り込んだことからドル売りが強まりましたが、おそらく急速に上げた分の利益確定の売りも出たのではないでしょうか。これを期にドル円が落ちていくとは考えづらく、来週も押し目買いが継続されると思われます。

 

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仲値・最高値・最安値

  2/17 2/18 2/19 2/20 2/21
最高値 109.962 109.948 111.592 112.225 112.187
仲値 109.80 109.86 109.94 111.28 112.11
最安値 109.721 109.659 109.855 111.112 111.475

 

ドル円 仲値 最高値 最安値 2020年2月17日から2月21日

 

<仲値を中心とした乖離率>

  2/17 2/18 2/19 2/20 2/21
最高値- 67.2% 30.4% 95.1% 84.9% 10.8%
-最安値 32.8% 69.6% 4.9% 15.1% 89.2%

 

<最高値・最安値の時刻>

  2/17 2/18 2/19 2/20 2/21
最高値 0時~1時 23時~0時 5時~6時 23時~0時 9時~10時
最安値 9時~10時 12時~13時 7時~8時 9時~10時 0時~1時

今週の動き

今週も大きな動きがないかと思われましたが、水曜日に転機を迎えました。昨年5月以来となる110.30円を超え、ストップロスを巻き込みながら一気に上昇しました。その後も買いの勢いは衰えず112.20円まで上昇し、PMIが落ち込んだことや利益確定の売りなどで終値111.50円ほどで終えました。

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2/24~2/28の予想

予想値幅:111.00円~112.50円

 

来週も円安ドル高が予想されます。長きにわたる三角持ち合いをブレイクしたことでドル高の上昇トレンドが始まったと解釈して良いでしょう。またファンダメンタルの観点から見ても、「日本のGDP悪化」や「日本の新型コロナウイルスに対するお粗末な対応」は円売りを呼ぶには十分な内容となっています。ただ少し気掛かりなのは"有事の円買い"という考え方が終わったとは言い切れない点です。ドル円が上昇トレンドに入ってから、金曜日の17:16頃に報じられた「日本人の新たな感染者」に関するニュースで円高に動いたということが懸念材料です。調整の売りと言えばそれまでなのですが、判断を誤ると大きな損失に繋がるので今後のニュース等での動きを見ながら”有事の円買い”が終わったのかを見極めたいところです。来週は押し目買いをメインに考え、ショートの場合は112.00以上とし、112.20を超えたら損切りといったところでしょうか。

 

取引:112.00S~。~111.50L。押し目買い。